真の漢になるブログ

~I'll be back man~

競輪養成所にいた頃、よく精神修行名目の草むしりをさせられた結果、草むしりがうまくなりすぎて一般家庭の庭を草むしりした話

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これは競輪養成所に通っていた頃の話なのですが、ゴミ捨てを忘れていたり、掃除が全然できてなかったりすると会長に罰則を与えられるわけです。

その罰則としてジムのまあまあ広めの庭すべての草むしりをするという無茶苦茶な精神修行をさせられていました。
 
その精神修行をしている間は一切練習は禁止で長い時は数週間続く時もありました。
 
度々、草むしり報告をしにいくのですがOKサインが出なければ練習ができません。
 
いつまで経ってもOKサインが出ない時は正直いらだちも覚えましたが、今言えることは、結果的にやっててよかったということです。
 

特技「草むしり」で面接官の気を引けた

 
競輪学校受験用の履歴書に特技の項目があり、特に書くこともなかったので草引き(草むしり)って書いたんです。私の地域では草むしりを草引きともいいます。
 
それで面接に臨んだのですが、やはり面接官は威圧感があるものですごく固くなったのを覚えています。緊張感のある面接をしていたのですが、この草むしりがきっかけで、雰囲気が和やかになりました。
 
草引きってなに?綱引き?という感じで興味を持ってもらう事ができたのです。結果的に合格はできませんでしたが(恐らく学科試験が駄目だった)とてもやりやすかった思い出があります。
 

庭をすべて綺麗にして終わりではなかった

 
OKサインが出ないなら、納得してしまうくらい綺麗に草むしりしてやる!という気持ちで会長が出勤する数時間前に草むしりを始めて一日中草むしりをしていた事を思い出します。
 
朝6時に到着して始めてた事もあります。(ちなみに家から自転車で1時間の距離)
 
すべての草むしりを綺麗に終え、自信満々で会長に報告しに行ったのです。
会長も納得したのか、満面の笑みで、転職したほうがいいんじゃないのか?と言ってました。
 
ここは笑顔でやり過ごします。
 
私も正直ほっとした事を覚えております。ここで会長が皆を集めて、口を開きます。
 
やっと再開かと皆肩を撫で下ろしていると信じられない一言が発せられます。
 
「出張いくか!」
 
皆フリーズします。
 
何が起きたのか整理もできません。はて?という感じでした。
 

ジム会員の家に訪問して草むしりをする

 
よくジムに来られている、会長の同級生の女性宅に出張草むしりにいくことになったのです。しかも休日出勤です。その時は本当に勘弁してくれと思ったものです。
 
もうここは開き直って全ての草をギッタンギッタンのケチョンケチョンに伐採してくれるわ。という気持ちで向かいました。
 
すごく感じのいい夫婦に迎えられ、一緒に汗を流しました。美味しいご飯もご馳走になり、もう罰則による負のエネルギーはどこかへ消えていました。
 
旦那様は初見でどこかでお会いしたような気がするくらい親しみのある方でした。
 
美味しくご飯をいただきながら会話していると信じられない事実に気がつくのです。
 

女性会員の旦那様には既に会っていた

 
いろいろ話をしていて、私の頭の線が一直線に繋がりました。
 
もしかしてと思って恐る恐る思い当たる節を訪ねてみると、その旦那様は、私が通っていた高校の校長先生だったのです!そりゃ親しみも感じるわけだ!と納得したものです。
 
世間は狭いものです。一見無駄な草むしりの罰則に見えてもこれがきっかけで、この事実にたどり着く事ができたのです。すごい収穫でした。
 
草むしりも業者に負けないくらい綺麗に片付け、感謝されるのはこんなにも気持ちの良い事なんだと気付いたのです。
 
そしてようやく練習再開が許されたのでした。
 

草むしりをする事で見えたものがある

 
練習、心得の面でもこの経験を活かす事ができたのです。それまでは休みを削られる事に嫌な気持ちになったものです。実際はやりたい仕事をするのに休みなしは覚悟しておくべきですが、私はその覚悟すら据わってなかったのです。
 

感謝される事こそ仕事の醍醐味

どんな仕事でも感謝される事は醍醐味だと思うのです。朝から晩までジムでトレーニングばかりしていると、その事を忘れてしまうのです。
 
そういう意味では社会と接する機会を与えてくれた事に感謝をしています。
 

練習も考えてするようになった

それまでは何も考えず、ただやっていれば強くなると勘違いしていた時期がありました。
 
草むしりをする事で、どの道具をつかえば1番効率がいいだろうか、どこから攻めていけばうまくむしれるだろうかという事を常に考えてやっていました。
 
練習も一緒でどうすれば効率良くトレーニングができるか、どこから鍛えていけばうまく成果に繋がるだろうかと考えるようになったのが1番の収穫でした。
 
効率を得るには無駄な事に価値を見出す力が必要だったのだと感じた出来事でした。